2015年8月9日日曜日

⓬人工内耳の初めての音入れの瞬間は意外な反応だった!?

説明を追加























『うーん…』

ただ首をかしげるだけ


本当は

テレビで見たような

感動的なシーンを期待してた












実際はただ首をかしげるだけだった

“人工内耳”って何?
って方はこちらの動画をご覧ください


“人工内耳”の手術から数日後

経過良好!!


無事入院先の大学病院を退院


左後頭部の手術痕も癒え
いつもの聴力検査のため
いつもの防音室へ


いつもとは違うのは
補聴器から人工内耳へ

人工内耳の手術後
初めての防音室




僕は実は

この防音室が嫌いだ

音のある世界から隔離された空間





山登りをして
山の頂上に辿り着いた事がある方なら
経験した事があるかも知れない

下界の雑音から解放された空間






音を大切にする演奏家が使う録音室

ひとつひとつの音の響きを大事にするから
外の雑音をシャットアウトする防音壁で
囲まれた空間




大学病院の聴力検査のための部屋も
その防音壁に囲まれた閉鎖的な空間だ



普段から日常の雑踏の中で生活し
音のあふれた世界になれた僕にとって


その都会のど真ん中にある
大学病院の中の聴力検査のための
その一室に入った瞬間


不安になる




山登りで山頂に到着後
やっとの思いで登り
頂上から見下ろす
眼下に広がる素晴らしい景色

鳥のさえずりでも聞こえてきたり
都会のど真ん中では吸えない様な
澄み切った空気に囲まれていれば

非常に心地よい空間かもしれない




音を大事にする演奏家が
自分の納得のいく音を拾えた後なら
その防音室は心地よい空間になる

のかもしれない



何度も言うけど



ここには窓もない
何の景色もない
ただの閉鎖された空間


都会のど真ん中にある
大学病院の中の
ただの聴力検査のための一室なのだ


太くて重いその扉を閉め

「ガチャン」

と扉を閉めた瞬間に
刹那的に始まる全く音のない空間


床もカーペット敷きなので
床にイスを擦る

「キィー」

という音もしない








逆にその扉を解放した瞬間

様々な音であふれた世界に戻る




だから不安になるのだ

その防音室に入った時の孤独感


音が全くない


音の世界と遮断された空間


音の中で生きてきた僕は

不安で不安で


怖くて怖くてたまらなくなる

落ち着かない


だから大学病院の中の
聴力検査のための防音室は嫌いだ




人工内耳の手術から二週間近く

ずっとその音のない世界にいた





僕の子供が

今日

ようやく

久しぶりに音の世界に戻って来る

待ちに待った日






初めての“人工内耳の音入れ”の日




産まれた時からずうっと続いた
検査・検査の日々


小さな体でよく耐えた手術


やっと解放されるのだ

そんなつらい日々から…



そんな希望の日だった


新品の人工内耳を左耳に装着





言語聴覚士の先生

『じゃあ音を入れますよ』








その空間にいた全員が
子供の顔をのぞき見る





僕は聞いてみる

『 ど う ? 』



『 き こ え る ? 』




ただ首をかしげるだけの子供




不思議そうな感じでただ首をかしげる


幼稚園前の子供にいきなり
携帯かスマホを手渡して

『どう?』

って聞いてるのと同じ事なのかなぁ?



僕は不安になり

今度は

言語聴覚士の先生の顔をのぞき見る



『ちゃんと音は入ってるはずですよ』





そんな周囲の不安な空気を察してか


子供が少し微笑んだ



僕の子供は昔から周囲の空気には敏感だ




自分の耳に何か聞こえたからか?

周囲の空気を読んだからなのか?

僕には分からないが

僕の子供は確かに微笑んだ



ただそれが嬉しかった




期待してたほど感動的だったか?
というとそれほどでもない


でも何かが変わった瞬間に立ち会えて

幸せな気分だった





人工内耳の手術後

人生初の音入れの瞬間



驚くほどではないが

首をかしげながら少し
はにかんだように笑う

子供の顔が印象的だった


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