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キャッチャーミット |
ベンチの指示も届かない
味方選手の声も届かない
審判のコールも分からない
自分から指示も出せない
味方選手への声も出さない
それでも、難聴の野球少年が
どうしてもキャッチャー(捕手)を
やりたかった3つの理由
①審判のコールが一番近くで聴ける。
「アウト」「セーフ」
「ストライク」「ボール」
審判の様々な判定コール
補聴器(人工内耳)だけでは、
野球の試合中は、聞き取りが困難な場面
はたくさんある。
だから、せめて主審から一番近い場所に
いるポジションで、主審の声が一番近い
場所で聴けるポジション
それがキャッチャー(捕手)
②味方選手の口元が唯一見渡せる場所
せめて、声が聴こえなくても、味方選手
が声を出しているかどうかは、口が動い
ているかどうかで判断できる。
味方野手の顔が見渡せるポジション
それがキャッチャー(捕手)
③味方選手が自分の顔も見えて一番
注目してもらえる唯一のポジション
難聴の野球少年にとって、話し相手同士
きちんと相手の顔をみて話す事は、一番
安心するらしい。そんな状態が常に保て
ている唯一のポジション。
自分も何か言いたい時、相手も自分をみ
てくれている状態は話やすいらしい。
難聴の野球少年にとって、チームメイト
とのコミュニケーションがとりやすいベ
ストポジション
それがキャッチャー(捕手)
以前、マウンドにあがらせてもらった時
こんな事があった。
一塁ランナーがリード大きく、一塁手が
大きな声で「一塁へ投げろ!はやくー」
と一生懸命言ってる声がマウンドに届か
なかったため楽々二塁への盗塁を許す。
「なんで投げねーんだよ。」
と後から言われても、何故そう言われる
のかは理解出来ていない。
自分が聴こえないせいで、チームメイトに
迷惑をかけてしまったという事だけは理
解出来た様子で落ち込んでしまった事も
あった。
背中越しに何か言われても、聴こえない
事はよくあった。
だけどキャッチャー(捕手)だけは、常に
味方の顔を見る事が出来るポジション
難聴の野球少年が、
どうしてもキャッチャーを
やりたかった3つの理由
その難聴の野球少年に一度だけ
「どうしてキャッチャーがいいの?」
と聞いてみた。
すると不思議そうな顔をしてこう答える。
「パパはいつもしょうがっこうの
グラウウンドでも、
ぼくにもわかるようにはなしてくれて
るでしょ
ぼくもパパがいうことはわかっているよ
だからなんでそんなこときくの?
きかなくてもわかるんでしょー
へぇー
もしかしてしらなかったのー
そーなんだー」
とおどけた表情を見せた。
私自身「先天性難聴」と出会い
どうして良いのかわからない日々を
過ごす中、どうしたら良いのかを考え
色々な人にアドバイスをもらいながら、
なんとかここまでやってきた。
自分自身、難聴の人に対する対応が
これで良いのか?今も試行錯誤しな
がら、何とかやっている。
ただ一番大事な事は
お互いが理解し合う気持ち
信頼関係を築こうとするその気持ち
がまずは必要なんだなぁと思う。
今、自分が経験させてもらっている
この貴重な体験をありがたいと思い
これからも難聴の野球少年から
たくさんの事を学ばさせてもらいたい
と思う。
障害者と人生を楽しむ生涯者として

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