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赤ちゃんが産まれて『おめでとう』 |
友人に赤ちゃんが産まれたら
『おめでとう』って素直に言えますか?
赤ちゃんが産まれた友人には『おめでとう!』
『おめでとう!』に対して『ありがとう!』
世間のどこにでもあるごく当たり前の会話
この当たり前の会話が出来ない時期が
僕の人生では一度だけありました
産婦人科の看護婦さんから
『おとなしくていいお子さんですね』
と声をかけられた
そう声をかけられた時は本当におとなしく
本当に可愛い赤ちゃんだと思っていました
その時は我が子の体に健康な人との違いが
あるなんて事は夢にも思いませんでした
産婦人科の産まれたばかりの赤ちゃんを
ガラス越しに眺める
たくさんの赤ちゃんが並べられた中から
自分の子供のネームプレートを見つけ
微笑ましい気持ちになる
自分の子供以外の赤ちゃんがギャーギャー
泣いている中ですやすやと眠っている
看護婦さんに言われた様に本当におとなしい
子供なんだなぁって思った
やっと息子が出来た喜びがいっぱいで
その息子に他の赤ちゃんと違う点がある
なんて事は想像もしなかった
我が子の退院前日
新生児スクリーニング検査を受けた
その検査結果の用紙を握りしめたまま
産婦人科のベットの上で妻が固まっている…
何故か…
肩が少し震えている…
涙を流している…
その状況がよく理解できない…
我が子の初めての帰宅を明日に控え
喜びに満ち溢れいた中で…
やっと自宅に我が子を連れて帰れる事を
楽しみにしていたあの日
全く想像も出来なかった出来事…
ただならぬ雰囲気を感じながらも
父親として何か言葉を発しなければ…
『どうしたの?』
『何があったの?』
やっとのことで僕の口から出た言葉
震える手で妻が差し出した検査結果の用紙
ひとつだけ〇を見つけた
要検査と書かれた欄に…
それが何の要検査なのか?まで考える
余裕などその時の僕にはなかった…
友人から『おめでとう』って言われていた
その『おめでとう』は何に対しての
『おめでとう』なのか?
『おめでとう』に対して『ありがとう』って
何なんだろう?
『おめでとう』に対して初めて感じた感覚
『おめでとう』の言葉の持つ残酷さを…
もしかした僕よりも『おめでとう』の言葉
でもっと傷ついている人がいるのでは?
と考えれるようになるまでずいぶん時間
がかかってしまったが…
赤ちゃんが欲しくて欲しくてたまらない
だけど天の授けを受けられない夫婦
要検査どころか産まれてすぐに保育器に
いれられてしまう赤ちゃんもいる事
この世に生を受けて直ぐになくなって
しまった命もあるって事
もっともっと重大で生きていくのもやっと
もっともっと生きていく上で困難な障害を
持って産まれてくる赤ちゃんもいる事
そんな事も想像出来るまでにずいぶん
時間がかかってしまった
その位の余裕がその時の僕にはなかった…
そして素直に『おめでとう』と『ありがとう』
が言えるようになるまで時間がかかった…
たくさんたくさん傷つき
『おめでとう』の深い意味に気付いた
以前よりも深く深く想いを込めて
『おめでとう』って
そう言えるようになった気がする…
たくさんたくさん悩み
たくさんたくさん考えに考え
たくさんたくさん傷つき
『おめでとう』の深い意味に気付いた
以前よりも深く深く想いを込めて
『おめでとう』って
そう言えるようになった気がする…
たくさんたくさん悩み
たくさんたくさん考えに考え
今では赤ちゃんが産まれた友人に
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